虹色・マルチカラーの宝石

10月の誕生石として有名なオパール。
遊色効果を持つ「プレシャス・オパール」と、不透明で遊色効果を持たない「コモン・オパール」の二つに大きく分けられます。プレシャス・オパールは、光の加減や角度によってさまざまな色が現れる神秘的な宝石です。

オパールの産地として有名なのが、オーストラリア南部に位置するクーパーペディ。とても暑い気候のため、住民の多くは地下で暮らし、さらに地下深くに眠るオパールの採掘体験は街の観光資源にもなっています。

遊色効果を持つ「プレシャス・オパール」の中でも、地色が黒あるいは黒に近い暗い色をしているものがブラックオパールと呼ばれます。
暗闇の中に赤、黄、緑などさまざまな光が閉じ込められたようなミステリアスな魅力があることで、人気の宝石です。地色が濃いほど遊色効果が美しく現れます。
まるで宝石箱の中を眺めているような、見る人を惹きつけるカリスマ性のある宝石です。

色とりどりの輝きを水滴の中に閉じ込めたような、幻想的な美しさが人気のウォーターオパール。
ブルー系～無色の地色を持ち、控えめながら美しい遊色効果があります。みずみずしい輝きの中に浮かぶ、ハッと目の覚めるような鮮やかな色彩が特徴で、「目覚め、無限の可能性、自由」など、明るい未来につながるようなポジティブな石言葉を持ちます。

世界五大宝石のひとつにかぞえられる、稀少価値の高い宝石・アレキサンドライト。
太陽光や蛍光灯の下では緑色に、白熱灯の下では赤紫色に輝く不思議な宝石です。その不思議な色の変化は「神様のいたずら」と称されるほど、宝石の神秘性を感じさせてくれます。
19世紀前半にロシアのウラル山脈で見つかり、その日がちょうど当時の皇帝アレクサンドル二世の誕生日だったため、その名が付けられました。

宝石には、一色だけではなく、二色かそれ以上の色が存在していることがあります。それがもっとも顕著に現れるのがトルマリンです。これらはパーティーカラードトルマリンと呼ばれ、バリエーションも非常に豊富にあるのが特徴的です。

ピンク、イエロー、グリーンなどの色がグラデーションのようになっていたり、層のようにくっきり色が分かれていたりと、自然が作り出す色とりどりの芸術に驚かされます。ちなみに二色の色を有するトルマリンはバイカラートルマリンとも呼ばれます。

薄く輪切りにしたときに外側が緑色で内側がピンク色になっている様子がスイカ（ウォーターメロン）に似ていることから、このユニークな名前が付けられました。
水分を含んでいるようなみずみずしい透明感があるのも特徴的です。

トルマリンは熱すると電気を帯びる特性から「電気石」とも呼ばれており、そこから派生して「持ち主にパワーを与える」お守りとして身に着ける人もいるそうです。
愛らしいスイカ模様のウォーターメロントルマリンはきっと周囲の注目を集めることでしょう。

紫色が美しいアメシストと、太陽のような黄色が特徴的なシトリンの色が同じ結晶中に存在する、ユニークな宝石がアメトリンです。
17世紀ごろにボリビアで発見され、活発に採掘されるようになったのは1970年代といわれています。

はっきりとしたバイカラーになっていることもあれば、紫がかった夜空に朝日が昇るような美しいグラデーションになっていることもあり、自然がつくりだした不思議な色合いに神秘性を感じずにはいられません。

18世紀後半ごろにカナダのラブラドル半島で見つかったため、その名がつけられたラブラドライト。
光をあてながら動かすと、「ラブラドレッセンス」と呼ばれるブルー、グリーン、ゴールド、ピンクなど虹のような輝きを見せてくれます。
まるで宇宙を覗き込んでいるような、無限の可能性を感じさせてくれる宝石です。

ラブラドライトはある一定の方向に割れやすい性質があるので、ジュエリーとして着用する際は強い衝撃を与えないよう気をつけましょう。

「蛍石（ほたるいし）」という美しい和名を持つフルオライト（フローライト）。
カラーバリエーションが豊富で、緑や紫、イエロー、ピンクなどがあります。一つの宝石に複数の色が混ざるものは「レインボーフルオライト」と呼ばれることもあり、豊かな色彩で私たちの目を楽しませてくれます。まさに蛍のように優しく輝くのが特徴的です。

また、フルオライトには暗い室内で紫外線ライトを当てると蛍光色に輝くものがあります。この「蛍光現象」は、フルオライトの名前にちなんで「フローレッセンス」と呼ばれています。

透明な水晶の中に金紅石（ルチル）を内包している神秘的な宝石。
水晶の透明度が高いほど、中のルチルの輝きがより鮮明に見えます。和名は「針水晶(はりすいしょう)」と呼ばれ、ラテン語で『黄金色に輝く』という意味の言葉が語源になっています。
ルチルの色はゴールド、シルバー、赤、緑などバリエーションが豊富ですが、特にゴールドのルチルクォーツは金運の象徴として世界的にも有名です。
金運アップのお守りとして身に着けてみてはいかがでしょうか。

色とりどりの虹色やマルチカラーは、固定観念にとらわれない自由さと多様性を象徴し、可能性に満ちた明るい未来のイメージともつながります。大きな希望に満ち溢れたカラフルな宝石を、ぜひ身に着けてみてください。