桃色(ピンク)の宝石

全ダイヤモンドの中でも産出量がごくわずかな、貴重なピンクダイヤモンド。
その中でも色が濃く輝きの美しいものはファンシーピンクダイヤモンドと呼ばれ、価値が高くなります。

天然のピンクダイヤモンドはオーストラリアにあるアーガイル鉱山から産出されるものが大部分を占め、その他には南アフリカのカリナン鉱山、タンザニア、ザイールなどがあります。いずれも供給が限られており、稀少価値の高さ、可憐な色味と美しさから世界中の女性を魅了しています。
石言葉は「永遠の愛」。エンゲージリングとしても人気の高い宝石です。

エメラルドやアクアマリンと同じベリルの仲間で、透明感のある優しく淡いピンク色をした宝石です。
熱心な宝石コレクターである「ジョン・ピアポント・モルガン」に敬意を表してモルガナイトという名前が付けられたといわれています。

繊細で優しいピンク色が特徴ですが、多色性があり、見る角度によって淡いピンク～深い青味がかったピンク色を示します。その絶妙な色の変化もモルガナイトの魅力です。
「清純・愛情・優美」といった石言葉を持ち、幸せな結婚の象徴ともいわれています。比較的硬度の高い宝石ですが、強い衝撃などを与えないよう丁寧に取り扱いましょう。

数多くあるピンク色の宝石の中でも人気が高いのがピンクトルマリン。
愛を引き寄せて持続させる、新しい愛の出会いをキャッチする、終わった愛を浄化するなど、恋愛に関してすべてに効果があるといわれるほど愛のパワーに溢れた宝石です。

トルマリンは和名を「電気石（でんきせき）」と言うように、摩擦や加熱によって帯電するという特徴を持っていることもあり、ピンクトルマリンは「愛の電流」を流すと信じられてきました。
素敵な出会いが欲しい、恋人との愛情をもっと深めたいなど、愛の喜びを求める人に力を与えてくれるでしょう。

美しいローズカラーをしていることから「紅水晶（べにすいしょう）」「薔薇石英（ばらせきえい）」といった和名を持つローズクォーツ。
「愛とやさしさの象徴」と呼ばれるこの宝石は、愛と美の女神・アフロディーテの石とされ、宝石名はアフロディーテに捧げられたバラにちなんでいるといわれています。

古代ローマ時代から印章などに使われており、かつてのヨーロッパでは、この宝石は制約のある愛を貫いた人など「激愛の戦士」を称えて贈られていました。
恋愛成就のパワーが強いことでも知られ、身に着けることで自己を肯定することができ、人を愛するエネルギーが高まると信じられています。

スポジュミン(リシア輝石)という鉱物で、ピンク色～紫色のものが「クンツァイト」と呼ばれます。石言葉は「寛大・優しさ・自然の恵み」。

1902年にアメリカのカリフォルニア州で発見され、その美しい色合いにちなんで「カリフォルニア・アイリス」という名前でも呼ばれています。翌年の1903年にノースカロライナ大学の化学教授であった「チャールズ・バスカヴィル」が宝石学者の「ジョージ・フレデリック・クンツ」に敬意を表して「クンツァイト」と名付けました。

紫外線に当てた後に暗闇で光を放つ「燐光性（りんこうせい）」、角度によって見える色が異なる「多色性」を持っています。
白熱光の下でパステルピンク、ライラック、フューシャピンクなどさまざまな色合いを見せ、夜会やイブニングドレスに映えることから「夕べの宝石」と呼ばれています。

木いちごのようなみずみずしい赤やピンク色が美しい宝石です。色合いや表情は産地によってさまざまで、独特のしま模様の入ったものは「インカローズ」という名前でも知られています。

インカローズは、インカ帝国があったアンデス山脈中から多く産出されたことから「インカの薔薇」という意味で名付けられました。ロードクロサイトは、輪切りにするとカーネーションの花のような模様が現れたことから装飾品に使われるようになったといわれています。

愛と希望に満ちた「薔薇色の人生」を象徴し、生命力と情熱を高めてくれるような宝石として人気があります。硬度が低い宝石であるため、取り扱いには十分な注意が必要です。

海の底に育つさんご。白～ピンク、紅色などさまざまな色彩がありますが、特にピンク色のものはピンクコーラルと呼ばれ、幸運を招くとして古くから珍重されてきました。ややオレンジがかった、温かみのある優しいピンク色が特徴です。

海を安全に渡れるようにと願いを込めた「航海のお守り」としてはもちろん、母なる海で育まれたことから、「子どもを守ってくれる」と伝えられ、安産や「さんご」にちなんで産後のお守りとしても人気があります。
母親になった人、これからなる人への贈り物としても喜ばれそうです。母から子へと愛情が受け継がれていくことでしょう。

オパールの中でも、不透明で遊色効果のない「コモン・オパール」に分類されます。愛と神秘の宝石として知られるオパールですが、愛らしいミルキーピンクのピンクオパールは、持ち主に幸せなイメージを与えてくれる「キューピッドストーン」とも呼ばれています。

ピンク色と乳白色のマーブル柄のものがよく知られています。女性らしさを象徴する宝石の一つとして知られ、身に着ける人の魅力を高め、恋愛成就に導くと信じられている宝石です。
繊細な宝石のため、着用時や保管の際は乾燥や衝撃を避け、熱や太陽光を当てすぎないよう注意しましょう。

バハマ諸島や西インド諸島のカリブ海などに生息する大きな巻貝の一種であるピンク貝（コンク貝）からごくわずかな確率でのみしか採取することができないため、非常に稀少価値が高く人気のあるコンクパール。
コンクとは巻貝を指し、私たちがよく目にする二枚貝で育った真珠とは色も形状も異なります。

コンクパールは、ピンク貝を母貝とするとても美しいピンク色をした天然の真珠です。表面には、炎が燃えさかっているような「火焔模様」と呼ばれる特徴が見られるものもあり、これはコンクパール独特の模様です。
コンクパールは熱によるヒビ割れや変色、太陽光による脱色、そして酸にも弱いため、普段から丁寧に扱うようにしましょう。

美、愛情、優しさ、幸福…さまざまな意味を持つピンク色の宝石。いずれの宝石も、見つめているとホッと安らぐような気持ちに包まれます。身に着けることで、自分自身や周りを愛し、また周囲からも愛される、そんな魅力的な女性に近づけるはずです。